庭師は多岐にわたるスキルを持つ専門家で、草木・地形土壌・石の知識、そして空間デザインのセンスが求められています。庭師の仕事は、個人宅の庭から公園やゴルフ場、オフィス街など広範囲にわたる景観造りです。 個人宅での庭造りでは、樹木の剪定や草木の配置によって空間を作り、庭全体のバランスを考慮した庭園造りが重要視されます。
また、日本庭園の空間デザインに関する深い理解が必要不可欠です。 公共施設での仕事では、緑化や造園空間のデザイン力が重要となります。地形や土壌に合った植木の選定、多くの人が利用するスペースや歩道の確保など、様々な要素を考慮しながら作業を行わなければなりません。 庭師の重要な仕事の一つとして、植木の維持管理があります。
作業時間は、それぞれの作業に応じて柔軟であることが求められるため、朝方や夕方からの作業が必要となることもあります。 庭師の仕事は資格なしでも行うことができますが、資格を持つことで信頼性が高まります。
資格試験について
関連資格には、「造園技能士」「造園施工管理技士」「樹木医」などがあります。 例えば、「造園技能士」は庭園・公園の一般知識から造園の施行に関する専門的知識、設計図に至るまで幅広い知識が必要とされる国家資格です。
学科試験と実技試験があり、竹垣の製作なども試験されます。この資格を持つことで、幅広い現場で活躍することが期待できます。 造園施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格で、施工管理の資格の中では最難関とされています。
受験には実務経験が必要で、学歴によって必要とされる経験年数が異なります。この資格は1級と2級の2段階があり、一定額以上の発注工事には有資格者の現場常駐が法律により義務付けられています。 一方、樹木医は民間資格の一つで、樹木の病状の診断・治療を行います。樹木医になるためには、7年以上の業務経験が必要とされますが、近年は樹木医補制度が設けられ、実務経験が1年に短縮されるようになりました。
造園業と植木屋の仕事の違いについて
造園業は、造園において全体のプラン作成や庭園のデザイン、資材の仕入れなど、総合的な業務を担当します。公園などの造園や保守管理も請け負い、規模の大きな仕事が可能です。
植木屋は、剪定の専門家で、庭木の手入れが対象となります。業務内容は庭師と重複する部分もありますが、植木屋の取り扱い範囲は限定されています。また、数名程度の従業員で業務を行うことが多く、個人宅での作業や小規模な業務が主です。これらの職種は、工場・オフィスの緑化や公共工事の現場で欠かせない存在となっています。資格取得により、仕事の幅が確実に広がります。